MBTIは占いでもなく、無料で簡易に受けられるいわゆる「性格診断テスト」ではありません。
人の心は深淵で複雑です。MBTIは一人ひとりの心を大切に考えていますので、国際規格の訓練を受け、資格に合格したMBTI認定ユーザーのみが実施でき、その人の支援のもと、受検された人が自己理解を深め、成長の指針としてもらえるように作られています。そのため、現在、Web上で気軽に受けられたり、無料で受けられるものはすべて、公式なMBTIではありません。公式なMBTIは、米国人親子のイザベル・マイヤーズとキャサリン・ブリッグスが20年以上かけて研究開発されたものですが、実際にC.Gユングの許可を得て(上記写真参照)開発されています。日本版も、Isabel Myersの後継者であるPeter Myers博士とKathy Myers氏の許可の元、米国のユング派の臨床心理学者ナオミ・クエンク博士に師事した臨床心理士で東京大学大学院医学研究科および京都大学大学医学系研究の非常勤講師も務める園田由紀先生によって、10年以上の月日をかけた地道な研究のうえに、日本の文化や日本人の心象を照らし合わせて開発され、日本人の心を大切に、丁寧にかつ慎重に2000年から日本に紹介されています。2023年現在、日本のMBTI取扱い資格付与講座を受け、それに合格し、継続的に学び続けている認定ユーザーが1500名以上誕生しており、日本における倫理的なMBTIの実施と活用および普及に尽力しています。ちなみに園田由紀先生は、米国のMBTI管轄機関であるマイヤーズブリッグスファンデーションよりイザベルマイヤーズオブジャパンアワードを受賞しているMBTIマスタートレーナーです。
MBTIはテストや診断ツールではありません。
MBTIはテスト(性格を査定するもの)でも診断ツール(性格を評価するもの)でもありません。また従来の心理・性格検査とも異なります。受けた本人が自分の心について理解を深める指針となるツール/メソッドです。受けた結果は最終結果ではなく、本人に回答結果を返し、本人がその結果をきっかけとして、しっくりくるタイプ(ベストフィットタイプ)を見つけていく過程が大切で、受検者をタイプに分類することを目的としていません。したがって、実施者(MBTI認定ユーザーと呼ばれる)は、受検者がベストフィットを見出していく過程を適切に支援することが義務付けられています。そのため、実施者は、MBTI及びその関連事項について、十分な知識と訓練を必要とします。当然、MBTIを診断として用いたり、選別や評価の場面での利用はできません。MBTIは、米国ではAPA(American Psychological Association)の倫理規程(テストスタンダード)に則って、米国の出版社TMBC社においては、レベルBの検査と位置付けられ、購入や利用方法が限定されています。諸外国においても、それに倣ったテストスタンダードに則って普及され、活用されています。現在MBTIは世界で年間500万人が受検しているなど、世界でも最も利用されている性格検査(Personality Inventory)です。日本においても、米国のThe Myers Briggs Companyのオフィシャルビジネスパートナーである一般社団法人日本MBTI協会(Japan MBTI Association)主催のMBTI取扱い資格付与講座を受講し、資格取得試験に合格され、資格を取得された方だけに、MBTIの購入と実施を限っています。
MBTIは特性論ではなく、タイプ論を理論背景にしている。
MBTIは、ユングの心理学的タイプ論(Type Theory)をもとに開発された検査(Indicator)です。MBTIは特性論(Trait Theory)を背景にした検査ではありません。したがって、検査で用いられる用語、検査の母集団、得点、採点方法などの内容や意味が特性論を背景にした、従来の検査とは異なります。当然、開発の経緯もMBTI独自の方法を用いています。MBTIは性格の特徴の程度を測定するものではなく、個人一人ひとりの心の指向(Preference)を指し示す(Indicate)もののため、それぞれの性格についての良し悪しや優劣は一切みていない検査です。そのため、万が一MBTIを特性論の検査として利用したり、回答結果を特性論で解釈した場合は誰の利益にもならないだけでなく、害になる可能性を含んでいます。
フィードバックは必ず対面交流形式(Face To Face)で行うMBTIの実施者は、MBTIを受けた本人(受検者)に必ずフィードバック(タイプの検証)をする義務があります。そのため、フィードバックの形式は実際に受検者と接しての対面交流形式行います(ただし、リアルタイムで双方向のやりとりができるオンラインを通じてのフィードバックはFace To Faceの構造が守られると判断された場合の限り、許される。)。また、検査の結果は受検者本人のものですので、実施者が受検者の承諾なしにその家族や上司など第三者に渡したり、本人以外にフィードバックしたり、人事情報として回答結果を人事が一括して保存することなども厳禁です。回答結果を本人にフィードバックっしないでよい場面は、研究としてマス単位でデータを使用するときのみに限られます。
また、MBTIはフィードバックした後、受検者が実際の日常生活にMBTIという枠組み(フレームワーク)を持ち帰ることで、さらに洞察が深まったり、疑問が出てきたりします。
そのような場合を考えて、実施者は何らかの形でフォローが可能なようにしておく必要があります。
MBTIは人の成長にかかわるすべての場面で活用できる国際規格のツール・メソッドであるMBTIは性格検査ですが、利用方法は一つではありません。MBTIの考え方は、ユングの心の発達モデルを背景にしているので、応用は多岐にわたり、人の心の成長にかかわるすべての場面で活用できます。すでにMBTIを用いた多くの実績のある諸外国においても、心理臨床カウンセリング、キャリアカウンセリング、コンサルティング、リーダーシップ開発、チームビルディング、エグゼクティブコーチング、教育者の訓練、面接者の訓練及び異文化や多文化の研究などの用途に活用されており、各分野で10000以上の論文が発表されています。
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